購買業務では、さまざまな部署で必要となる資材を適切な時期に十分な量、適正な価格で計画的に確保する必要があります。そのため、多くの工程を踏む必要があるほか、発注書や申請書、検収書、請求書といった必要書類の準備や確認もあり、 業務負担が重くなりがちです。
複雑で業務量が多い購買業務を効率化するためには、企業が抱えている課題を正しく把握し、ポイントを押さえた施策を行うことが欠かせません。
そこで今回は、企業の購買業務で抱えがちな主な課題や業務効率化する方法などを解説します。また、購買業務で意識すべき重要なポイントについても紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
企業が「自社の購買業務を効率化したい」と望む背景には、購買業務に関して何かしらの課題を抱えていることが考えられます。ここでは、購買業務における主な課題について以下の4つを紹介します。
課題1.申請書類や請求管理、相見積りなどの業務フローに工数がかかっている
課題2.発注漏れや誤発注が発生している
課題3.購買実績を社内で可視化できていない
課題4.既存取引先への発注方法がバラバラ
なお、自社が抱えている課題がわからない場合は、ビズネットの「購買業務課題診断」をご活用ください。
購買業務で効率化が進まない原因としてよくあるのが、「要求部門からの依頼内容確認、サプライヤー選定、申請書類作成、請求処理、相見積り、納品確認などの業務フローに工数がかかっている」という課題です。
見積り依頼・購入手続き・支払い手続きなど、一つひとつの購買業務に工数がかかると、余分な人件費が発生したり、スムーズな購買ができなかったりする可能性があります。工数がかかる主な原因としては、以下が挙げられます。
この課題をクリアするためには、業務フローや作業内容を明確にする、システム化の範囲を拡大するなどの取り組みが必要になるでしょう。
発注漏れや誤発注なども、購買業務の効率化を進めるために解決すべき課題です。発注漏れや発注ミスなどがあると、追加発注や再発注などの対応を行わなければならなくなり、業務量が増えてしまいます。
また、誤発注により運送費や購入費用といった経費がかさむほか、取引相手の信用低下にもつながりかねません。
発注漏れや誤発注の原因としては、各部門や各担当者が個別に発注依頼を行っていたり、FAXや電話などのアナログな作業手順になっていたりすることが挙げられます。
購買業務における進捗や実績を社内で可視化できていないと、効率化は実現できません。「どこの部署が、いつ何をどの程度購入しているのか」といった仕入れ情報が社内で共有できておらず、重複発注や過剰在庫などのリスクにつながるためです。
購買実績を社内で可視化できていない原因としては、主に以下が挙げられます。
なお、購買業務の進捗や実績を可視化するために、現状の業務フローを明確にしないまま、一つの部署だけで発注作業を行うことは避けましょう。業務負担が重くなる、誤発注が多発するなど、状況を悪化させる恐れがあります。
既存取引先への発注方法が統一されていないことも、業務効率化を実現する上で解決すべき課題です。特に取引先によって以下のような違いがあると、事務手続きが複雑になり、発注漏れや誤発注が起こりやすくなります。
また、発注方法が取引先によって異なると、発注や納品の実績を把握することも難しくなるため、適切な購買管理が行えない可能性もあります。
前章で紹介した購買業務の課題を解決した上で業務の効率化を実現するためには、次の3つの方法が有効です。
ここでは、上記の方法について具体的に解説します。
購買に関する業務フロー・業務区分を明確にすることで、購買業務の効率化が期待できます。業務フロー・業務区分を明確にするためには、現状の購買プロセスを洗い出した上でフロー図を作成することがおすすめです。
フロー図とは、以下のように各部門が担当する業務内容を時系列順に整理したものです。フロー図を作成することで、購買業務の手順や各部署間の連携状況を可視化できるほか、責任の所在を明確にしやすくなります。また、業務手順の改善点を見つけやすくなる効果も期待できるでしょう。
購買業務に関係する部署間の連携を強化することで、効率化をスムーズに実現できます。部署間の連携が改善されることで、情報共有が円滑にできるようになり、以下のような効果が期待できるためです。
購買業務に関係する部署間の連携を強化する具体的な方法としては、次項で詳しく解説します。
部署間の連携を強化するには、部署間のコミュニケーションを増やす施策を行うのが効果的です。部署関係なく、直接顔を合わせてコミュニケーションが取れる機会を作ることで、互いの理解や信頼が深まります。
気軽に会話ができる関係性が築ければ、業務での連携もスムーズになるでしょう。具体的には、研修会やランチミーティング、社員旅行、レクリエーションイベントなどの開催が挙げられます。
部署間で利害が一致する部分を明確にすることも、部署間の連携を強化するのに役立ちます。
たとえば、「新規プロジェクトを成功させたい」「売り上げ目標を達成したい」など、互いの利害が一致しているとわかれば、協力して目標達成に向けて行動できるようになるでしょう。
購買業務に関係する部署の利害関係を分析し、共通している利害を部署間で共有することで、連携を強化できます。
購買業務に関係する部署間の連携を強めるには、部署特有の風土や制度を改善することが大切です。
各部署が独自のルールや手順にこだわり、互いに歩み寄らなければ、購買を行うにあたって連携を取ることはもちろん、購買業務のフローなどを統一することが難しいです。連携が上手く取れないと感じたら、各部署に特有の考え方や制度がないかを調査し、研修などを通じて改善を図りましょう。
購買管理システムを導入することで、購買業務をより効率的に進められます。購買管理システムとは、購買業務をDX化し、コスト削減や生産性向上を実現するなど、購買プロセス全体をサポートできる機能を備えたシステムです。
購買管理システムを導入することで、以下のようなニーズを実現できる可能性があります。
購買管理システムの導入を検討してみたいという方は、14,000社以上の企業が利用しているビズネットのサービス「購買管理プラットフォーム」の導入がおすすめです。
ビズネットの「購買管理プラットフォーム」を使えば、上記のニーズを実現できるとともに、主要ECサプライヤー商品、既存取引先企業からの購買の一元化・管理が可能です。
購買管理システムを導入する主なメリットは、次の3つです。
購買管理システムは、発注から納品、検収、支払いまで一括処理が可能であるほか、データの自動入力や集計もできるため、業務効率化につながります。実際にビズネットの「購買管理プラットフォーム」を導入した企業でも効果が出ています。
業種 | 導入効果 |
サービス業、 卸売・小売業 |
・経理担当者におけるチェックや修正作業を年間で600時間削減した ・支払い時に必要な書類の作成を省けるようになった ・請求の処理業務の工数を減らせた |
運輸業 | ・購買業務にかかる時間を年間で約171時間減らせた ・発注から納品までにかかる期間が以前は12日ほど要していたが、最短翌日にまで短縮した |
教育 | ・不透明だった購買実績の全体像が把握可能になった ・実績データを分析できるようなった結果、購買費用の削減が可能になった |
導入するメリットが多い購買管理システムですが、自社の購買プロセスに合わないシステムは導入しないようにしましょう。たとえば、小売業など在庫状況を把握した上で購買計画を立てることが重要な業種では、在庫管理システムと連携しやすいシステムを選ばないと有効的に活用できません。
必ず自社の購買プロセスに合った購買管理システムかどうかを見極めた上で、導入を検討することが大切です。
前述した購買業務を効率化する方法を進める上では、仕入先との良好な関係を築くことを意識するのが成功のポイントです。
仕入先との信頼関係を築いておくことで、業務効率化を進める上で書類の様式や発注方法の変更といった協力が得やすくなります。関係性も念頭に置いた上で仕入先を選ぶことで、結果的に業務効率化や収益アップにつながる可能性があることを覚えておきましょう。
購買管理業務を効率化するには、効率化が進まない背景にある業務フローの工数や実績情報の共有などに関する課題を正確に分析し、施策を行うことが大切です。
具体的な施策としては、業務フローの明確化、部署間の連携強化、購買管理システムの導入などを行うことで、効率化を進められます。
ビズネットが提供する「購買管理プラットフォーム」は、標準掲載カタログに加えて、既存取引様の商材を登録し電子カタログ化できるユーザーカタログを備えているため、業種や各社のニーズに合わせた運用が可能です。業務効率化をスムーズに進めるためにも、ぜひ「購買管理プラットフォーム」の導入をご検討ください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
受発注の業務改善によって顧客サービス向上と新たなビジネスの展開を支援する「購買管理プラットフォーム」を14,000社以上の企業に提供しています。電力、電設、建設・医療・製造などの現場専門品の購買業務を最適化し、業務やコスト削減・生産性向上を実現いたします。
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