購買コストダウンを図るための手法は複数あるため、取引している資材や自社のニーズに合わせて適切な手法を選ぶことが重要です。
今回は、購買コストダウンの手法一覧として購買方法編と価格交渉・見積もり編、アイデア編の3つの項目で解説します。
さらに、自社に最適な購買コストダウンの手法の選び方についても詳しく紹介するので、ぜひ今後の購買活動にお役立てください。
購買コストダウンの実現に向けた購買方法としては、以下が挙げられます。
コストダウンを目指せる購買方法別の特徴やメリット、注意点について詳しく見ていきましょう。
共同購買とは、協力関係にある複数の組織や企業が共に製品・サービスを購入することでコストダウンを狙う手法です。サプライヤーに対してまとまった発注が可能となるため、購買コストを抑えやすい点がメリットです。
ただし、共同購買を行う際の注意点として、調達品を1つの種類に絞り込む作業や自社内での購買を取りまとめる作業、共同購買を実施する企業間での連携・タイミングの調整などが必要となります。また、企業規模に応じてコスト負担が変わるおそれもあるため、自社のコストダウンの手法として適しているかを見極めることが大切です。
共同購買について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
「共同購買とは？共同購買はハードルが高い購買方法とされる4つの理由」
集中購買とは、複数の事業所の購買を本社でまとめて実施することで、コストダウンを図る手法です。集中購買を行えば、ロット買いやまとめ買いが可能となるため、サプライヤーに対して優位性を持った状態で取引ができ、価格交渉しやすいメリットがあります。
また、各事業所の発注担当者の業務負担を減らし、業務効率化できることも集中購買の利点です。ただし、本社でまとめて購買するため、緊急を要する調達に対してスムーズに対応しづらいなどの懸念点もあります。
そこで発注や納品にかかるリードタイムをできるだけ短縮するために、発注から納品まで一気通貫で管理できる購買管理システムの導入がおすすめです。集中購買のシステム化について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
「集中購買のシステム化で購買のコストダウンを実現！集中購買の概要や分散購買との違いも紹介」
国際購買とは、企業活動に必要な原材料や部品を海外から調達し、コストダウンを目指す手法を指します。たとえば、製造業で用いる部品の種類によっては、海外で調達した方が日本よりもコストを抑えられるケースがあります。また、部品によっては日本国内の原材料不足などを理由に、海外から輸入せざるを得ないものがあるのも現状です。
国際購買を行う上での注意点は、日本のサプライヤーとは異なる交渉スタイルや商慣行を持っていることに留意して、取引を進めなければならないことです。複数の安定したサプライヤーを確保しつつ、品質管理や納品スケジュール管理を徹底することが重要となります。
コストダウンの実現に向けて、資材の購買プロセスを効率化できる「購買管理システム」を導入する方法もあります。たとえば、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」を導入すれば、既存取引様の商材を登録し電子カタログ化することができる「ユーザーカタログ機能」の利用によって、アナログな作業で発生していた発注ミスの軽減や、企業ルールに合わせた購買管理機能の設定ができるため、業務効率化を図りコスト削減へとつなげられます。
購買管理システムの詳細について知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
「購買管理システムとは？企業における必要性やシステムの種類、メリット・デメリットなどを徹底解説！」
ビズネットの「購買管理プラットフォーム」なら、購買の一元管理が可能となり、購買コストダウンに向けて有効的に活用できます。さらに、会員様向けに文具・家電・工具・書籍など5,000万以上のアイテムを特別価格で提供しているため、各サプライヤーのECサイトで購入するよりも安く購入できることも魅力です。
価格交渉・見積もり時における購買コストダウンの手法としては、以下が挙げられます。
以下の項目で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
購買コストダウンに向けて、資材を提供してくれるサプライヤーと価格交渉する手法があります。適切に価格交渉すれば、現状よりも安い資材を継続的に仕入れられる点がメリットです。
ただし、近年は原材料費や人件費の高騰が影響し、調達品によっては価格交渉の余地がないケースも少なくありません。価格交渉をスムーズに進めるには、「事前に市場価格を調べる」「調達品の原価を推計する」といったポイントを押さえて、そもそも価格交渉が可能か探ることが重要です。
万が一、強引な価格交渉を進めてしまうと、思うようにコストダウンできないばかりか、サプライヤーとの関係性が悪化し自社の購買活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
相見積もりは、複数のサプライヤーに対して同条件で見積もりを依頼することを指します。相見積もりを行うことで、対象の調達品の適正価格を把握できるため、購買活動におけるコストダウンに役立てられるメリットがあります。
相見積もりを取る際は、依頼内容や期日を明確に伝えた上で、公平に比較できるようにすることが大切です。なお、相見積もりの内容をもとに、他社のサプライヤーへ価格交渉する行為はマナー違反とされているので注意しましょう。
将来的な発注増加を示唆して見積もり依頼をすると、コストダウンにつなげられるケースがあります。そもそも発注量が増えることで、なぜ値引き交渉が可能になるかというと、調達品の生産量が増加した場合、サプライヤー側は計画的に大量の仕入れが可能になり、低い原価で生産できるためです。
ただし、サプライヤーと発注者間のトラブルを避けるには、取引条件を明文化しておくことが大切です。仕様の追加・変更など、価格への影響が懸念される内容についても、具体的な金額を双方で共有しておくことで円滑な取引につなげられます。
ボリュームディスカウントとは、大量に取引することで割引価格での調達が可能となり、コストダウンを実現できる手法です。この手法では、将来的な発注増加を示唆するのではなく、現状の取引でまとめて発注します。
ボリュームディスカウントを実施する際に注意したいのは、見積もり段階の数量よりも少ない数量で発注しないことです。たとえば、大量発注を前提に値引き交渉したにもかかわらず、発注時は数量を減らして取引単価を据え置きにした場合、下請法や独占禁止法に違反する可能性があります。
見積もり時と発注時の数量が変わる際は、取引の公平性を保てるように、サプライヤーに対して再見積もりを依頼しなければなりません。
購買コストダウンに向けて、以下のようなアイデアを活用するのも手です。
以下では、購買コストの削減が可能な3つのアイデアについて紹介します。
VE/VAの「VE（Value Engineering）」は価値工学を意味し、「VA（Value Analysis）」は価値分析を意味する言葉です。VE（価値工学）とは、資材のコストと機能の研究をもとに仕様書・発注先の変更などを行い、コスト削減を実現する活動のことを指します。
一方、VA（価値分析）とは、資材のコストと機能の研究をもとに既存製品を見直し、仕様書・発注先の変更などを行い、コスト削減を行う活動のことです。VEが製品の設計段階で提案するのに対し、VAは既存製品に対して提案する点が異なります。
VE/VAに取り組む際は、関係する部門がしっかりと連携した上で、情報収集や必要機能の整理、コストの調査・分析を行う必要があります。
サプライヤーと取引するにあたり、数量ランク別に発注単価を定めておく手法もあります。たとえば、発注数量が500個以上で発注単価を500円、発注数量が1,000個以上で発注単価を480円にできると合意しておけば、発注数量が多いほどコストダウンが可能です。
また、発注する資材を必要数量に絞り、小ロットで発注するのも手です。発注数量を増やすことで調達品の値引き交渉がしやすい利点がある一方、必要以上の資材を調達すると、キャッシュフローの悪化や管理コストの増加を招くおそれがあります。小ロットで発注すれば、これらのリスクを低減して適切な在庫管理を実現できるでしょう。
支給取引とは、部材などを外注先に支給し、外注先での加工を終えたものを企業が買い戻す手法のことで、主に製造業や建設業で採用されています。支給取引によるコストダウンが可能な理由は、外注先よりも発注元の企業規模が大きい場合、材料メーカーとの価格交渉などが行いやすいためです。
また、支給取引には「有償支給」と「無償支給」の2種類があります。有償支給は外注先へ有償で部材等を支給し、その所有権が外注先に移ることが特徴です。一方、無償支給は外注先へ無償で部材等を支給することから、所有権は発注元のままです。そのため、加工時に部材が無駄に使われた場合は、コスト負担が増加するおそれがあります。
購買コストダウンの手法を選ぶ際は、購買コストに大きく影響している資材を分析した上で、対象の資材に適したコストダウン手法を選ぶことが大切です。たとえば、一度にまとまった数量を発注できる資材であれば、ボリュームディスカウントを要求できる可能性があります。
コスト削減すべき資材を正確に分析するには、自社の購買データを可視化できる仕組みを構築しておく必要があります。購買コストダウンの中でも、近年注目度が高まっているのは、消耗品や工具を含む「間接材」の購買に関するコスト削減です。その理由として、間接材は仕入先や在庫の管理が煩雑になりやすい上、個人や各部門で独自に調達して購買プロセスが不透明になっているケースが多いためです。
コストダウンの選択肢として、購買データの可視化や購買プロセスの効率化が可能な「購買管理システム」などの活用も検討するとよいでしょう。
購買コストダウンを実現できる手法としては、購買方法の見直しや価格交渉、相見積もりの実施が挙げられます。自社にとって効果の高いコストダウンに取り組むためにも、蓄積した購買データを分析して購買コストに影響する資材を見極めた上で、コスト削減の手法を選ぶことが大切です。
14,000社以上の企業様に採用いただいているビズネットの「購買管理プラットフォーム」なら、購買の一元管理を実現でき、コスト削減に役立てられます。さらに、横串検索機能を使って商品検索ができるほか、最安値検索機能により複数のサプライヤーの商品を簡単に商品価格などを比較検討できることも特徴です。
購買コストダウンをスムーズに実現したいという方は、ぜひビズネットの「購買管理プラットフォーム」の導入をご検討ください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
受発注の業務改善によって顧客サービス向上と新たなビジネスの展開を支援する「購買管理プラットフォーム」を14,000社以上の企業に提供しています。電力、電設、建設・医療・製造などの現場専門品の購買業務を最適化し、業務やコスト削減・生産性向上を実現いたします。
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