プロキュアメントは、企業活動における「調達」を意味します。プロキュアメントの改善を進めるにあたり、概要や種類を把握しておきたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、プロキュアメントの概要を解説したうえで、その種類や重要な理由について紹介します。併せてプロキュアメントの仕事内容や、サプライヤーの評価基準なども解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
プロキュアメントとは、「調達」を意味する言葉で、英語では「procurement」と表記されます。ビジネスにおいては、資材・人材などに関する調達業務及びプロセス全体を指します。
たとえば、製造業の場合、資材・部品などを生産計画に沿って必要なタイミングで仕入れることがプロキュアメントに該当します。また、小売業でプロキュアメントに該当するのは、販売商品の在庫数に応じて仕入れることです。
いずれの業界においても、仕入れるモノと収支のバランスを踏まえて、プロキュアメントの管理に取り組むことが重要です。
以下では、プロキュアメントと混同されやすい3つの用語との違いを見ていきましょう。
パーチェシングとは、購買における発注・検収・支払のプロセスを指す用語です。前述のとおり、プロキュアメントは調達業務やプロセス全体を指すため、パーチェシングはプロキュアメントの一部であるといえます。
なお、企業が適切なパーチェシングを行うには、購買の一元管理や購買データの蓄積に取り組むことが重要です。
購買とは、必要な資材・設備などを仕入れる行為を指す言葉です。プロキュアメントのように、必要なモノを適切な量・納期で、なるべくコストを抑えながら仕入れる業務とは違いがあります。
また購買業務は、プロキュアメント(調達)に内包されているプロセスといえます。購買の詳細や調達との違いについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
「購買とは?購買と調達の違い・具体的な仕事内容も併せて紹介!」
eプロキュアメント(electronic procurement)とは、電子調達を意味する言葉です。インターネットを利用した資材や部品の調達、あるいは電子調達のアプリケーションを指します。
プロキュアメントは、あくまで調達業務や全体のプロセスを指すため、両者には違いがあります。なお、eプロキュアメントに取り組むメリットとして、仕入れや決裁の時間短縮によるコスト削減、調達業務の自動化・電子化の実現などが挙げられます。
プロキュアメントの種類は、直接材の調達と間接材の調達の大きく2つに分かれます。ここでは、それぞれの詳細を見ていきましょう。
直接材とは、企業の売上に直接的に関係する購買品を指します。たとえば、製造業の場合、部品や材料のプロキュアメントなどが該当します。
製品のコストや品質に関わるため、購買・調達部門といった専門組織がプロキュアメントを担うケースが一般的です。なお、一部の中小企業では、管理部や総務部が直接材の調達を行うこともあります。
間接材とは、企業の売上に直接的には関わらないものの、生産活動や日常業務に不可欠な購買品を指します。具体例として、部品の加熱に必要な燃料や、オフィスで使用する事務の消耗品などが挙げられます。
間接材の概要や直接材との違いについては、ぜひ以下の記事をチェックしてください。
「間接材とは?直接材との違いや調達における課題・コスト削減方法を紹介」
間接材のプロキュアメントは、総務部や管理部が担うケースが少なくありません。直接材のように売上に直結しないことから、管理を最適化できていない企業も多く、無駄なコストや調達の非効率が発生していることも考えられます。
そのため、自社の間接材におけるプロキュアメントを改善することでコスト削減につながるケースもあるので、自社で取り組める施策がないかを検討してみるとよいでしょう。たとえば、購買・調達部において、間接材の分散購買を実施した結果、業務効率化できた事例は多く見られます。
たとえば、小田急電鉄様では一部署での間接購買の取りまとめを廃止して、要求部門で購入できる仕組みを導入した結果、購買業務時間を2年間で約654時間も削減できています。詳しい内容については、ぜひ以下をご覧ください。
プロキュアメントが重要な理由として、調達する部品や材料の原価を抑えることにより、利益向上につなげられることが挙げられます。そもそも生産活動においては、原価や外注費を抑えて自社の商品・サービスを高く販売し、利益を得ることが基本です。
とはいえ、利益を追求するために資材の価格を落として品質が下がると、付加価値を乗せられなくなることに留意しなければなりません。その結果、顧客の満足を得られず、商品・サービスの売上や企業の評判が下がるおそれもあります。
プロキュアメントの最適化を目指すには、利益と品質のバランスを取ることが不可欠です。ビズネットでは、コスト削減に関する無料の動画セミナーをご提供していますので、ぜひ業務にお役立てください。
ここからは、プロキュアメントの4つの仕事内容について解説します。
調達要件の整理とは、自社で必要な資材を調達する際、仕入れるタイミングや数量を整理する仕事です。より原価を抑えた資材を適切なタイミングで仕入れるために、生産計画に沿って要件を整理して、サプライヤーを選定・開拓する必要があります。
調達要件を整理するプロセスが疎かになると、製品製造として満たすべき品質の資材調達が困難になるほか、納品が遅れて製品納期に影響するといった問題が出てくることに留意が必要です。プロキュアメントの担当者は、製造現場や各部署などと連携しつつ、さまざまな情報を収集しなければなりません。
プロキュアメントを適切に進行できるように、調達要件をもとにサプライヤーを選定する必要があります。サプライヤーのレベルによって、自社の製品・サービスの品質などに影響を及ぼすため、重要なプロセスといえます。
なお、サプライヤー選定の際に留意すべきポイントとして、以下が挙げられます。
場合によっては、サプライヤーが提示する納期や価格に対して交渉することも、プロキュアメントにおける重要な仕事です。
サプライヤーから資材を安定的に供給してもらうために、適切に管理・評価することも仕事内容の一つです。具体的な業務としては、サプライヤーの生産能力を管理することを目的に、自社の生産計画を事前に共有しておくことなどが挙げられます。
また、資材の納期が急に変更になった場合も、可能な限り対応してもらえるように日頃から情報共有を行い、信頼関係を構築することも重要です。
その他、サプライヤーの管理・評価で大切なポイントは以下のとおりです。
製造現場や開発部門などと連携し、生産計画を共有してもらったうえで、適切なタイミングで必要な資材を供給する仕事です。不明点があれば担当者に連絡して、誤りのないように確認する必要があります。
プロキュアメントの担当者は、各部署と円滑なコミュニケーションを実現できる体制を整備しておくことが大切です。
前述のとおり、プロキュアメントにおいて、サプライヤーを定期的に評価することは重要です。ここでは、サプライヤーの3つの評価基準について紹介します。
サプライヤーが供給する資材の品質は、最終製品の品質に影響するため、厳格な評価基準を設ける必要があります。品質を評価する際は、サプライヤーの生産プロセスや梱包の仕様、管理体制などもチェックしましょう。
既存サプライヤーに対しても、品質管理体制や生産プロセスのチェックを定期的に実施すれば、品質基準を満たす資材を安定的に供給できるようになります。
資材の価格は、自社の予算内に収まっているか、市場価格と比較して適正かというポイントで評価します。自社の適正な価格交渉に対して、ある程度柔軟に対応してくれるかということも、サプライヤー評価における重要な項目です。
ただし、サプライヤーに対する過度な値下げ要求は、下請法や独占禁止法に違反するおそれもあるので注意が必要です。あくまでお互いにとって利益をもたらす関係を構築して、サプライヤーからの信頼も得なければなりません。
生産計画の実現に向けて、適切な納期で資材を供給してもらうことは重要な評価基準といえます。サプライヤーの生産能力や納期遵守率のほか、納期変更への柔軟な対応力なども評価すべきでしょう。
場合によっては、サプライヤーを複数確保してリスクヘッジを取ることも検討すべきです。
プロキュアメントの効率化に向けて、購買管理システムを利用するのも一つの方法です。購買管理システムの導入によって、プロキュアメントの一元管理を実現でき、業務効率化が可能になります。
また、購買状況などをリアルタイムで確認できるため、発注漏れや重複発注の防止にもつながるでしょう。間接材のプロキュアメントを効率化するなら、間接材専門の購買管理システムである、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」がおすすめです。
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また、最安値商品を横断的にワンクリックで検索できるうえに既存会計システムとの連携なども行えます。スムーズな導入・運用に向けて、万全のサポート体制が整っていますので、ぜひ利用をご検討ください。
プロキュアメントは、調達要件の整理やサプライヤーの選定・交渉などを行うため、製品・サービスの品質や納期にも関わる重要な仕事です。サプライヤーの管理・評価を適宜行いながら、円滑な資材供給に取り組みましょう。
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自社の課題やニーズをヒアリングしたうえで、最適なプランをご提案することも可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
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