調達業務 効率化 調達コスト 削減 マーケットプレイス

すべての企業は事業活動のため、特に製造業は自社製品の生産のために必要な資材(原材料や部品)を、低コストで効率よく調達し製造原価を下げたいと考えています。一方、これらの購入企業のニーズに応えて資材を販売したい企業も、効率よく、できれば高く販売できないかと考えています。資材の購入企業は、より安くて品質のよい資材を購入するために、多くの企業と価格・納期・品質などを交渉しなければならず効率が悪化し、調達コストがアップします。これは資材を販売したい企業にとっても同様です。

この双方の企業の問題点を同時に解決できるのがマーケットプレイスです。調達と販売のどちらの企業も簡単に取引相手を見つけられ、見積もりや契約もインターネットを利用して効率よく行えます。そこで、マーケットプレイスの概要や種類、メリットについて解説します。

購買業務の見直し何からはじめるべき?

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マーケットプレイスとは?

マーケットプレイスとは、インターネットを利用して、調達をしたい企業と、それらの企業に販売したい企業が自由に参加して取引できる「場」のことです。1対1ではなく複数対複数の企業間(B to B)で電子商取引(EC)が実現できます。「eマーケットプレイス」とも呼ばれます。

B to Bマーケットプレイスの市場規模はB to Cの約20倍

インターネットを利用した電子商取引では、アメリカのAmazon社が提供するAmazonマーケットプレイスが有名ですが、こちらは企業と一般消費者が売買取引をするB to Cのマーケットプレイスです。知名度の高いB to Cのマーケットプレイスですが、市場規模はB to Bマーケットプレイスの方が約20倍もの規模で取引されています。2018年4月に経済産業省が発表した調査によると2021年の日本国内におけるB to Cの電子商取引は20.7兆円に対しB to Bは372.7兆円です。

マーケットプレイスの種類や形態

マーケットプレイスの種類や形態には、大きく分けて以下の3つあります。

1.マーケットプレイスの種類

1-1 C to C(個人対個人)マーケットプレイス

一般消費者同士を結びつけるマーケットプレイスです。不要になった商品などをオークション形式で売買できるウェブサービスや、フリマアプリと呼ばれるスマートフォンのアプリを使用し、個人が不要になった物を出品して販売するアプリがあり、それらを必要な人が簡単に購入できます。いつでも、どこでも手軽に出品、閲覧、売買ができるようになり市場規模は拡大しています。

1-2 B to C(企業対個人)マーケットプレイス

マーケットプレイスを開設し運用する企業のウェブサービスに、商品やサービスを販売する企業が出店することで主に個人向けに販売をします。また、多数の企業が出店するウェブサービスではなく、単独企業が個人に直販するウェブサイトを立ち上げて販売することも行われています。このマーケットプレイスはD to C(Direct to Consumer)と呼ばれます。

1-3 B to B(企業対企業)マーケットプレイス

B to Bマーケットプレイスは、C to Cや B to Cマーケットプレイスに比較すると知名度は低いですが、市場規模は3つの中では最も大きなマーケットプレイスです。近年は、企業に対して事務用品や工場用の工具などの消耗品を通販で販売する企業によって広告が行われ知名度も上がってきています。

2.B to Bマーケットプレイスの3つの取引形態

B to Bマーケットプレイスでの売買取引には、大きく分けると3つの取引形態があります。

2-1 販売型マーケットプレイス

特定の企業や企業グループが、複数の調達企業に対して商品を販売する「1対N」取引のB to Bマーケットプレイスです。購入する企業が複数なのに対し販売企業は1社または1つの企業グループのため、何をいくらで販売するかは基本的に販売企業によって決められます。

2-2 調達型マーケットプレイス

特定の企業や企業グループが、複数の販売企業から購入する「N対1」のB to B取引のマーケットプレイスです。「プライベートeマーケットプレイス」とも呼ばれ、多くは購買量の多い購入企業が資材調達するときに利用されています。

2-3 取引所型マーケットプレイス

販売企業、購入企業とも複数の企業同士が「N対N」で取引を行うB to B取引のマーケットプレイスです。「パブリックeマーケットプレイス」とも呼ばれます。マーケットプレイスの場であるウェブサービスを運営する企業が取引の仲介役を果たします。

3.オークション形式と逆オークション形式による購入も可能

販売企業と購入企業が価格を決定する方法として、販売企業が決めた価格での購入や、個別の価格交渉によって決めた価格で購入する以外にオークション形式、または、逆オークション形式で価格を決めて売買できる場合があります。オークション形式とは、一番高値を付けた企業が購入でき、逆オークション形式とは、一番安値を付けた企業が販売できる方法です。

購入企業がマーケットプレイスを利用するメリット

購入する企業がマーケットプレイスを利用するメリットは3つあります。

1.調達コストの削減

資材の調達コストを下げるには、多くの調達先企業と個別の価格交渉が必要で多くの時間と手間がかかり、資材の購入コストを下げられても調達のためのコストがアップします。また、価格交渉だけでなく、多くの企業から品質のよい低コストの資材を探すのも大変な時間とコストがかかります。しかし、マーケットプレイスでは、調達先企業が多く存在し、購入した資材の価格、品質、納期など条件を比較・検討がインターネット上で多数の企業と簡単に行えて、調達先企業を選別して絞り込めます。その後、調達する候補企業とのみ個別の条件が詰められ、調達コストの削減ができます。

また、電話や訪問先での口頭による発注ミスから生じる時間のロスや、無駄なコストの発生も抑えられます。さらに、企業間取引ではリピート注文が多く行われますが、リピート注文はマーケットプレイスでは自動化や省力化が行いやすくコスト削減に寄与します。

2.新規取引先の開拓

資材の安定供給やコスト削減には、複数の調達先企業が必要です。調達先業が1社だと、調達先企業の都合で値上げを余儀なくされます。また、納期トラブルが起きると生産工程に影響し大幅に製造コストがアップします。これらへの対策として調達先企業を増やしたいとき、最適な企業を探すのは大変な作業ですが、マーケットプレイスを利用すれば、候補企業の絞り込みで新たな取引先の開拓が簡単にできます。

3.豊富な選択肢

B to Bマーケットプレイスでは、同じ業種間で行われることが多く、企業間の競争も激しいほか、同じ資材を扱う企業も多く新しい資材や高い品質の資材調達の選択肢が広がります。自社製品に適した資材が、より速く、より効率的に見つかる可能性が高まります。

マーケットプレイスのメリットを上手に生かした利用が大切

マーケットプレイスを利用すると、「調達コストの削減」「新規取引先の開拓」「豊富な選択肢」などのメリットが得られます。しかし、一方で新規の取引先企業から調達するには、従来と同じように「信用調査」や「取引条件の交渉」などの手順がかかります。また、計画的に調達する資材や特殊な技術が必要な資材では、特定企業と長く取引するほうが価格面や品質面でメリットが多い可能性もあります。マーケットプレイスと従来の調達手法を上手に使い分けることが大切です。

参考
我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備|経済産業省

この記事の監修者

ビズネット株式会社

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購買業務の見直し何からはじめるべき?

間接材購買は会社の価値を生み出すコア業務ではない上に、直接材の4倍の発注数があると言われています。
改善することで社内の生産性が上がるのですが、何から手をつけていいのかわからず
多くの企業で見て見ぬふりをされている領域であるとも言われています。
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