幅広い商品・サプライヤーの選択肢があるマーケットプレイスは、いまや企業の購買業務にも欠かせない存在です。マーケットプレイスの種類や選び方を知り、自社の購買業務を改善したいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マーケットプレイスの概要や種類を紹介した上で、利用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。さらに、マーケットプレイスの選び方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
マーケットプレイス（Marketplace）とは、インターネット上で売り手と買い手が取引を行う市場のことです。EC（ネット販売）の一種で、日本語では「電子市場」の意味を持ちます。代表例として、Amazonや楽天市場が挙げられます。
マーケットプレイスの仕組みは、同一のプラットフォーム上で、複数の売り手が商品の登録・販売を行うというものです。一般に、買い手が選択・購入した商品の決済や配送、カスタマーサポートなどもプラットフォーム側が提供します。
マーケットプレイスを利用する企業にとっては、直接取引にかかる流通コストを抑えられることが利点といえます。
eコマースとは、インターネット上で行われる電子商取引全般を指します。中でも、通販サイトやネットショップに絞ったものは「ECサイト」と呼ばれています。
マーケットプレイスとeコマースの違いは、以下のとおりです。
| 販売者 | 販売する場所 | |
| マーケットプレイス | 複数の企業 | マーケットプレイスの運営企業が提供するWebサイト |
| eコマース | 単一の企業 | 自社で構築・運営するWebサイト |
上表のとおり、マーケットプレイスでは運営企業が提供するWebサイト上で、複数の企業が商品を販売しています。一方、eコマースでは、企業が構築・運営するWebサイトを使って、自社の商品を販売している点が異なります。
なお、EC事業をアウトソーシングするメリットや委託できる業務範囲などについて知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
「EC事業をアウトソーシングするメリットは？委託できる業務範囲や成功のコツも解説」
次に、マーケットプレイスの種類について見ていきましょう。
BtoBマーケットプレイスは、企業同士が商品を取引する際に利用されるプラットフォームです。3種類あるマーケットプレイスの中でも、特に市場規模が大きいことが特徴です。
経済産業省の資料によると、日本における2024年のBtoB-EC市場規模は、514兆4,069億円（前年比10.6％増）に上ります。同年のBtoC-EC市場規模が26兆1,225億円なので、BtoB-EC市場規模は約20倍であることがわかります。
特に近年は、事務用品や工場用の工具などの消耗品を販売する企業広告の影響もあり、一般にも知られるようになりました。工具・現場消耗品に関するマーケットプレイスの具体例には、「モノタロウ」や「ミスミ」が挙げられます。
BtoBマーケットプレイスの取引形態は、以下のように大きく3つに分かれます。
| 取引形態のタイプ | 概要 |
| 販売型 | 特定の企業・企業グループが、複数の調達企業に商品を販売する「1対N」取引のタイプ。販売企業は1社もしくは1つの企業グループのため、商品のラインナップや価格は販売企業が決めることが基本となる。 |
| 調達型 | 特定の企業・企業グループが、複数の販売企業から商品を購入する「N対1」取引のタイプ。主に購買量の多い購入企業の資材調達に用いられ、「プライベートeマーケットプレイス」とも呼ばれる。 |
| 取引所型 | 販売企業、購入企業ともに複数の企業同士の「N対N」取引のタイプ。「パブリックeマーケットプレイス」とも呼ばれる。 |
BtoCマーケットプレイスは、個人との取引を目的に、企業が商品・サービスを販売する際に利用するプラットフォームです。BtoCマーケットプレイスの具体例として、Amazonや楽天市場などが挙げられます。
なお、多数の企業が出店するWebサービスではなく、単一の企業が個人に直販するWebサイトを立ち上げて販売するケースもあります。このマーケットプレイスは「DtoC（Direct to Consumer）」と呼ばれます。
CtoCマーケットプレイスは、一般消費者同士が商品を取引するプラットフォームです。具体例として、メルカリやジモティーなどが挙げられます。
不要になった商品などをオークション形式で売買できるWebサービスのほか、「フリマアプリ」と呼ばれるスマートフォンのアプリを使用し、個人が不要になった物を出品して販売するサービスが展開されています。時間や場所を問わず、手軽に出品・閲覧・売買を行えることから、市場規模は拡大しています。
前述のとおり、マーケットプレイスの中でも市場規模が大きいのはBtoB分野です。ここではBtoBマーケットプレイスにおける購入企業と販売企業のそれぞれのメリットを紹介します。
マーケットプレイスで商品を購入する企業側のメリットとして、以下が挙げられます。
マーケットプレイスを利用することで、資材の価格・品質・納期の比較をスムーズに行えるため、調達コストを削減できるメリットがあります。電話注文などによる発注ミスを減らせるほか、リピート注文による省力化を図れることもポイントです。
また、マーケットプレイスでは豊富な商品・サプライヤーから選択することが可能です。そのため、購入企業の条件に合った資材が、より速く、より効率的に見つかる可能性が高まるでしょう。
加えて、新たな取引先を容易に開拓できることも、マーケットプレイスならではの利点です。たとえば、1社のみと取引している場合、値上げによる調達コストの増大や納期トラブルといったリスクが高まります。しかし、複数の取引先を確保しておけば、リスク分散を図れます。
マーケットプレイスで商品を販売する企業側のメリットは、以下のとおりです。
多くのマーケットプレイスは、単一の企業が運営するeコマースよりも集客力に優れている傾向にあります。特に、小規模ビジネスの企業や新規参入の企業にとって、広告費をかけずに多くのユーザーにリーチできるのは大きなメリットといえます。
また、運用コストを抑えられることも、ビジネスでは見逃せない利点です。一般的にマーケットプレイスを利用する上での掲載料や手数料が発生するものの、自社でeコマースを運営することに比べるとコスト負担はかからないでしょう。
さらに、決済システムや物流サービスについても、マーケットプレイス側で提供されているケースが多いので、企業側の負担を大きく減らせます。場合によっては、顧客対応やトラブル対応に関するサポートも受けられます。
BtoBマーケットプレイスを利用することにはデメリットもあります。購入企業と販売企業それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
マーケットプレイスで商品を購入する企業側のデメリットは、以下のとおりです。
マーケットプレイスごとに、掲げるポリシー・規約が異なることには留意が必要です。たとえば、注文した商品に不備があった場合、返品対応や品質保証はマーケットプレイスごとに異なるため、自社が不利益を被らないように十分に確認しなければなりません。
また、あまりに多くの販売企業が商品を出品しているマーケットプレイスの場合、販売企業の信頼性を判断しづらいケースがあることもデメリットといえます。複数のマーケットプレイスの利用によって購買担当者の負担が増し、購買業務フローが非効率化するおそれがあることにも注意が必要です。
マーケットプレイスの利用に際し、購買業務を一元的に管理して業務効率化を図りたいなら、「購買管理システム」の活用をおすすめします。
「購買管理システム」の活用は、これらのデメリット、特に「購買業務フローの非効率化」に対処するための有効な手段の一つです。複数のマーケットプレイスやサプライヤーからの購買を一元的に管理し、社内の承認フローに乗せることで、業務の効率化と透明性の確保が図れます。
購買管理システムの詳細や種類、導入するメリットなどについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「購買管理システムとは？企業における必要性やシステムの種類、メリット・デメリットなどを徹底解説！」
なお、購買管理システムの導入・運用の流れや選定のポイントに関しては、以下のお役立ち資料もご活用ください。
マーケットプレイスで商品を販売する企業側のデメリットは、以下のとおりです。
マーケットプレイスでは、競合として複数の販売企業が商品を出品しているため、特に人気の高い商品は価格競争が発生する可能性があります。価格競争に巻き込まれず利益を確保するには、付加価値の提供なども検討する必要があるでしょう。
また、手数料はマーケットプレイスによって異なりますが、基本的には取引ごとに出品手数料や販売手数料が一定の割合で差し引かれます。このような手数料も踏まえ、価格設定を行うことが重要です。
ここからは、BtoB向けのマーケットプレイスを利用する際の選び方について紹介します。
マーケットプレイスごとのサービス・サポートの内容を比較することが大切です。具体的には、以下をチェックするとよいでしょう。
カスタマーサポートの例としては、伴走型のオンボーディングによる導入支援や、運用時のコールセンターのサポートなどが挙げられます。また、オプションサービスを追加できれば、自社の事業や業務に沿った内容へカスタマイズし、効率化を図れます。
マーケットプレイスの信頼性を確認するため、ユーザーフィードバックやレビューサイトなどを確認するのもおすすめです。実際にサービスを利用した人の意見を目にすることで、自社に適しているかを確認しやすくなります。
また、必要に応じてSNSなどの口コミもチェックしておきましょう。評価の高いマーケットプレイスを選択することで、スムーズかつ安全な取引を実現しやすくなります。
前述のとおり、購入企業がマーケットプレイスを利用する場合、購買業務フローが非効率に陥るおそれがありますが、購買管理システムを活用すれば購買業務の一元管理を実現できます。
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その他の「購買管理プラットフォーム」の特徴は、以下のとおりです。
ビズネットの「購買管理プラットフォーム」では、最安値商品を横断的にワンクリックで検索できる上、自社のルールに合わせた運用・承認設定なども可能です。さらに、導入・運用をワンストップでサポートする体制も整っていますので、スムーズな運用を実現できます。
マーケットプレイスは、購入企業と販売企業の双方にメリットのある仕組みです。「サービス・サポートの内容を比較する」「ユーザーの評価を確認する」といった選び方のポイントを押さえて、自社に合ったサービスを選びましょう。
なお、自社に最適化した購買業務フローを構築するなら、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」の導入をぜひご検討ください。5,000万品目以上のBtoBサプライヤー商品を特別価格で購入できるほか、最安値商品のワンクリック検索や自社の既存システムとの連携運用なども可能です。
導入費用・月額基本料については無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
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