パーチェシングとは、購買における「発注・検収・支払い」のプロセスのことです。間接材調達の最適化に向けて、パーチェシングに取り組むコツなどを知りたいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、パーチェシングの概要を紹介した上で、間接材調達においてパーチェシングに取り組むコツを詳しく解説します。また、間接材のパーチェシングにおすすめしたい「購買管理システム」の特徴や、選び方のポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
パーチェシング（Purchasing）とは、購買における発注・検収・支払いの一連のプロセスを指します。特に、製品に直接使用されない消耗品や備品を含む「間接材」の場合、管理する品目が多岐にわたる上に、コア業務ではないと捉えられているケースが多く、パーチェシングの管理負担が大きくなりやすいとされています。
一方、製品に直接使用する原材料や部品を含む「直接材」については、管理体制を整備できている企業も多い傾向にあります。間接材においても、パーチェシングを最適化して、工数やコストの削減に取り組む必要性が高まっています。
間接材の概要やコスト削減方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
「間接材とは？直接材との違いや調達における課題・コスト削減方法を紹介」
ソーシング（Sourcing）とは、購買における取引先の選定や交渉のプロセスを指します。パーチェシングは、ソーシングで決定した製品・サービスの発注以降を担うプロセスであり、両者の役割ははっきりと分かれていることに違いがあります。
ただし、パーチェシングで蓄積した購買情報などをソーシングにフィードバックすることで、より適切なサプライヤーの選定に活かせる側面があります。2つのプロセスは担当範囲が分かれているものの、密接に関わり合っているといえるでしょう。
| パーチェシング（Purchasing） | ソーシング（Sourcing） |
| 購買における発注・検収・支払いの一連のプロセスのこと。ソーシングで決定された条件に基づいて、日々の発注から支払までの購買プロセスを実行する。 | 購買における取引先の選定や交渉のプロセスのこと。取引先の選定や交渉を行うことで、最適な条件の獲得やサプライヤーの評価を行う。 |
なお、これら調達業務の一連のプロセスを「プロキュアメント」とも呼びます。ソーシング、パーチェシングは、プロキュアメントの一部のプロセスと捉えられます。
プロキュアメントの概要や種類、仕事内容などについて知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
「プロキュアメントとは？パーチェシングとの違いや種類、仕事内容なども紹介」
間接材調達におけるソーシングが担う役割についても把握しておきましょう。間接材調達の役割の1つとして、間接材の仕様・品質・価格といった条件を整理することが挙げられます。ソーシングの段階で自社が必要な間接材の条件を整理しておけば、スムーズな購買を実現できます。
また、自社と取引しているサプライヤーの評価も、ソーシングの役割といえるでしょう。間接材の供給力や対応力などでサプライヤーを評価し、その結果をもとに取引体制を整備すれば、間接材の安定的な調達を実現できます。
パーチェシング・ソーシングに取り組む際のコツとして、以下が挙げられます。
間接材調達をスムーズに実行するためにも、これらのコツを把握しておきましょう。
調達を一元的に管理することで、パーチェシング、ソーシングの効率化を図ることが可能です。たとえば、サプライヤーによって、メールやFAXなど発注方法が異なる場合、毎回の発注業務で無駄な業務と工数が発生しやすくなります。
また、間接材の場合、発注する部署・担当者が明確に決められておらず、発注にかかる時間の増加やアナログな処理により発注ミスが頻発するケースも少なくありません。間接材調達を一元化すれば、標準化したルールも適用でき、発注工数の削減や承認プロセスの効率化、属人化・不正の防止といった効果も見込まれます。
前述のとおり、パーチェシングで蓄積した購買データなどの情報をソーシングにフィードバックすることで、サプライヤー選定の最適化を図れます。これは、購買データをサプライヤーの比較や分析、意思決定の材料として活用できるためです。
なお、購買データを蓄積する手法として、企業が購買活動を一元的に管理する「集中購買」などの方法もあります。集中購買のメリットや実践方法については、以下の記事を参照ください。
「集中購買のメリットと実践方法とは？分散購買との違いやコスト削減と効率化を実現する戦略をご紹介」
パーチェシングで取得した情報をソーシングに活用する一環として、サプライヤーや調達品目の見直しも行うべきです。たとえば、サプライヤーを見直す際は、年間支払い額や契約状況を整理・分析し、主要サプライヤー、高額な品目の特定を行いましょう。取引単価や契約条件を長らく見直していない場合は、コストダウンに向けた交渉を行えるケースもあります。
また、取引サプライヤーや品目を統一することで、ボリュームディスカウントを実現できる可能性があります。全社的に同一または類似の間接材を購入しているものの、部署によってサプライヤーが異なるような場合は、統一によってコストダウンを図れるかもしれません。
ビズネットでは、購買管理におけるコスト削減の動画セミナーを、無料で提供しています。約20分のセミナーを通じて、コスト削減の必要性や購買業務の課題、課題解決が可能な購買管理の方法などについてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
間接材を調達する上で、固定の既存サプライヤーのみと取引するのではなく、複数のサプライヤーとの相見積もりなどを行い、比較することが重要です。同一の条件下で間接材を仕入れるにあたり、サプライヤーごとの価格や納期を比較して、自社のニーズに適した業者を選びましょう。
複数のサプライヤーを比較すれば、アフターサービスの有無・レスポンスの速さの確認や、特定のサプライヤーへの不正な発注の防止なども可能です。
なお、商材を比較し、自社にとって最良のサプライヤーと取引することを「比較購買」と呼びます。比較購買の概要や取り組む際のポイントを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
「比較購買とは？行うべき理由や取り組む際のポイント、相見積もりを行う流れも紹介」
間接材調達において、発注・検収・支払いといったパーチェシングのプロセスを適切に管理するなら、「購買管理システム」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。購買管理システムとは、間接材調達で必要な一連のプロセスを一元的に管理できるシステムを指します。
購入申請、審査、発注などをすべてシステム上で実行できるため、業務効率化を図れる上、部門間でのリアルタイムでの情報共有も実現可能です。
なお、昨今は自社サーバーを用意することなく、メンテナンスの手間も不要で利用できるクラウド型のシステムの人気が高まっています。以下の記事では、SaaS型の購買管理システムのメリットや選びポイントについて、詳しく解説しています。
「SaaS型の購買管理システムのメリット・デメリットを解説！特徴や選ぶポイントも」
また、お役立ち資料として、購買管理システムの選定ガイドもご用意いたしました。自社のニーズに即した購買管理システムを選ぶ上で、ぜひ参考にしてください。
購買管理システムを導入するメリットとして、以下が挙げられます。
企業が購買管理システムを導入すれば、システム上での一元管理を実現できるため、手書き記入の業務を省略し、購買プロセスを最適化することが可能です。
また、購買管理システムによっては、複数サプライヤーの間接材価格をかんたんに比較検討できる機能などが搭載されており、調達コストの削減を効率的に行えます。
さらに、承認ワークフローの設定などが可能な購買管理システムを選ぶことで、不正・ミスの防止を図り、内部統制の強化にもつなげられるでしょう。
購買管理システムを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。
一口に購買管理システムといっても、搭載されている機能、サービスには違いがあります。たとえば、自社と取引するサプライヤーの数が多く、請求処理の手間を課題としている場合、請求処理業務を取りまとめてくれるようなサービスがあると安心です。
また、間接材調達に特化しているシステムであるかということも、しっかりと確認しておきましょう。購買管理システムの中には、製造業で取り扱う資材調達に特化したシステムなどもあります。
導入している企業数が多いほど、購買管理システムの機能性や信頼性が高い証となるので、導入実績をチェックしておくことも大切です。
パーチェシングのプロセスを効率化したいなら、ビズネットの間接材調達に特化した「購買管理プラットフォーム」がおすすめです。
「購買管理プラットフォーム」は、すでに14,000社以上の企業様に利用いただいているクラウド型の購買管理システムです。自社のルールに合わせて、運用設定や承認設定などを行えるため、パーチェシングの最適化も実現できます。
また、5,000万品目以上のサプライヤー商品を会員様向けのディスカウント価格で購入でき、最安値商品を横断的にワンクリックで検索できることも特徴です。ソーシングの効率化も図れ、調達プロセス全体の負担軽減につながるでしょう。
さらに、本システムを通じて発注した品目の支払い処理は、ビズネットが取りまとめて請求するので、自社の請求処理業務の手間を大きく削減することも可能です。導入にかかる費用は基本無料で、自社のニーズに即したプランをご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください。
「購買管理プラットフォーム」の導入事例として、購買業務の作業時間を約3分の1まで削減できた東京電力パワーグリッド株式会社様を紹介します。
もともと同社では、FAXや電話で電設材料の購買を行うことによる購買業務の負担や、検収・支払いプロセスにおける自社システムへの手入力処理の手間などを課題としていました。
そこで「購買管理プラットフォーム」を導入したところ、電設材料の電子カタログ化を実現でき、発注をシステム上で行えるようになりました。また、「購買管理プラットフォーム」と自社の既存システムを連携したことにより、検収・支払い処理の最適化も実現しています。
結果的に、購買業務1件あたりにかかる時間を約3分の1まで削減することに成功しています。
その他の導入事例についてはこちらからご覧いただけます。
「購買管理プラットフォームの導入事例」
間接材調達においてパーチェシングに取り組む際は、調達の一元的な管理や購買データの蓄積、サプライヤー・品目の見直しなどを実施しましょう。また、購買管理システムを導入すれば、間接材調達で必要な一連のプロセスを一元管理できる上、業務効率化も図れます。
間接材調達に特化したビズネットの「購買管理プラットフォーム」なら、5,000万品目以上のサプライヤー商品をディスカウント価格で購入できるほか、最安値商品の横断的な検索も可能です。基本料金は無料で、導入・運用に向けたサポート体制も充実していますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
受発注の業務改善によって顧客サービス向上と新たなビジネスの展開を支援する「購買管理プラットフォーム」を14,000社以上の企業に提供しています。電力、電設、建設・医療・製造などの現場専門品の購買業務を最適化し、業務やコスト削減・生産性向上を実現いたします。
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