建設業における人手不足や生産性の低さなどが影響し、各社が建設業DXに取り組む必要性が高まっています。建設業DXの事例を確認して、自社の業務改善に役立てたいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、建設業DXが必要な理由や活用される代表的な技術・システムを紹介した上で、建設業DXの事例について詳しく解説します。今回事例として取り上げるのは、年間9,000万円以上のコスト削減を達成した株式会社大林組様です。自社の建設業DXの第一歩を踏み出すためにも、ぜひ参考にしてください。
建設業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IoTやAIなどを含むデジタル技術を活用し、生産プロセスを変革することを指します。とくに建設業は人的コストが高いとされており、DXの推進によって省人化・省力化に取り組む必要性は高いといえるでしょう。
建設業DXを実現すれば、人手不足の解消や生産性向上など、さまざまな経営課題を解決することも見込まれます。
建設業では、DXの取り組みを推進できる企業が、他業種に比べても少ないとされています。その要因として、画一的な生産プロセスを構築しやすい製造業などと異なり、建設業は受注生産式であることが挙げられます。
また、経験を積んで技術を身に付ける技術者が多いことや、アナログ作業が多いことも、建設業DXの推進を阻む壁といえます。しかし、深刻化する人手不足などの課題に対応するためにも、建設業DXは不可欠な取り組みとなっています。
次に、建設業DXが必要な理由について見ていきましょう。
建設業は慢性的な人手不足に陥っている状況であるため、建設業DXによって省力化し、人手不足に対応する必要があります。国土交通省の資料によると、2023年の建設業就業者数は483万人で、ピーク時の1997年の685万人から比べると202万人も減っています。
加えて、就業者の高齢化、若手人材の不足が深刻になっていることも課題です。同資料によると、2023年の建設業就業者における55歳以上の割合は36.6%であるのに対し、29歳以下の割合は11.6%となっています。全産業の就業者数の割合と比較しても、建設業は高齢化や若手離れが顕著に見られます。
次世代への技術継承も課題となる中、建設業DXによって技術習得を容易にし、若手人材を育成しやすい環境へ整備することも重要です。
建設業の労働生産性は、他業種と比べて高いとはいえない状況です。その理由として、機械による大量生産を行えないことや、プロジェクトの利益に対して必要人員が多いことが挙げられます。
また、建設業界特有の下請け構造も、生産性に影響する要素です。たとえば、企業間の管理に加えて、契約・施工・申請に関する書類作成など、事務的作業も多く発生します。昨今は、建設資材や人件費の高騰が相次いでいるため、建設業DXによって生産性を高める必要性が増しています。
業務改善のアイデアと実践例については、ぜひ以下の記事をご参照ください。
「業務改善のアイデアと実践例18選!効果的な提案方法で生産性アップを実現」
建設業においては、2024年4月より時間外労働上限規制が適用されたこともあり、働き方改革の推進が喫緊の課題となっています。国土交通省の資料によると、2022年度における建設業の年間実労働時間は、全産業の平均に比べて68時間長いことがわかっています。
また、年間出勤日数に関しても、全産業平均と比べて12日も多いという結果です。このような労働環境を改善し、変化した建設業の労働規制に対応するためにも、働き方改革に取り組むことが不可欠です。
建設業DXを実現するため、企業ではさまざまな技術・システムを活用しています。ここでは、代表的な技術・システムについて紹介します。
建設業でIoT(Internet of Things)技術を活用することで、建設現場の機器や装置をインターネット接続し、リアルタイムでデータの収集・分析・操作などを行えます。たとえば、人工衛星の測位システムを活用したMC建機の場合、半自動制御によって省力化を図れるでしょう。
また、定期点検や災害時の調査でのドローン活用や、リモートでの立会い・材料確認などを可能にするウェアラブル端末も普及しつつあります。このようなIoT技術の活用によって、建設現場における効率化を図れるでしょう。
BIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)とは、建物の3Dモデルを作成する技術のことです。従来は2次元で作成していた図面を、計画・調査・設計段階から3次元で作成することにより、関係者間の情報共有を容易にできます。
BIM/CIMの利用は、建設業における生産管理システムの効率化、高度化にもつながるでしょう。
購買管理システムとは、資材の発注・承認・支払いなど一連の購買業務を一元的に管理できるシステムのことです。資材の価格比較やまとめ買い、過去の購買データを活用したコスト適正化などにより、業務効率化を図れます。
クラウド型の購買管理システムなら、複数の拠点・現場においても、リアルタイムでの情報共有が可能です。また、システムの種類として、直接材のみを対象としたものや、間接材に特化したもの、両方に対応したオールラウンドタイプがあるので、自社のニーズに即したシステムを選定することが大切です。
購買管理システムの詳細や、購買調達のDX化について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
「購買管理システムとは?企業における必要性やシステムの種類、メリット・デメリットなどを徹底解説!」
「購買調達のDX化を実現するには?日本企業における購買調達DXの現状をもとに解説」
なお、ビズネットでは購買管理をはじめたい企業様向けのお役立ち資料をご用意しています。購買業務の基礎知識のほか、業務上の課題と原因、購買管理のメリットなどをわかりやすくまとめていますので、ぜひご活用ください。
ERP(Enterprise Resource Planning)は、基幹業務を一元的に管理できるシステムです。建設業向けERPの場合、プロジェクト単位での労務実績・経費実績の把握や、案件の進捗状況などを管理できます。
建設業会計にも標準仕様で対応しているため、バックオフィス業務の効率化に役立てられるでしょう。また、ERPによってデータを一元管理することによって、従業員が不正を働く機会などを排除し、内部統制の強化を図れるというメリットもあります。
ここでは、建設業DX事例として、ビズネットの購買管理システムの導入によって、年間9,000万円以上のコスト削減を達成した株式会社大林組様について詳しく紹介していきます。
なお、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」は、14,000社以上の企業様に導入いただいている購買管理システムです。俳優の竹中直人氏がMCを務める経済報道テレビ(KHTV)「発見!課題解決カンパニー」でも紹介されているほか、ITトレンドの購買管理システム部門で年間ランキング1位を獲得するなど、注目を集めています。
以下のリンクでは、その他の業種における「購買管理プラットフォーム」の導入事例も掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。
株式会社大林組様では、購買品の発注先や発注方法が広範囲であったために、人的コストや人件費が多くかかるという課題を抱えていました。たとえば、1つの購買品に関するデータを抽出するのにも、大きな労力がかかるという状況でした。
そのような背景があった同社では、1999年に文具・オフィス用品の全社一括購買を実施するため、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」の導入を決定。人件費の削減や、調達業務の簡略化などの実現を目指しました。
さらに、2004年にはビズネットの「物流代行サービス」の利用をスタートし、社内で使用するユニフォームやベルト、専用伝票・契約書・封筒などのオリジナル商品の管理・社内配送に関するオペレーションを一元化しています。
株式会社大林組様では、ビズネットサービスを利用して社内の物品を調達することによって、人件費の削減、および調達業務の簡略化を進め、結果的に年間9,000万円超のコスト削減を実現しています。
具体的には、ビズネット「物流代行サービス」によって、オリジナル商品の社内配送コストの大幅な削減に加えて、物品と人件費にかかるコストの軽減も図っています。また、購買履歴データの一元管理などに関する機能を自由にカスタマイズできる「Bizm@nage」を活用し、購買業務効率の全社的な改善を実施したことも、コスト削減に至った理由です。
ビズネットの「購買管理プラットフォーム」や関連サービスの活用により、従来の煩雑な購買業務から改善し、大幅なコスト削減を実現した株式会社大林組様のケースは、建設業DXの成功事例といえるでしょう。
建設業の購買・調達部門では、直接材の購買管理はコア業務と位置付けられているものの、間接材の購買管理は最適化できていないというケースが少なくありません。
前述したビズネットの「購買管理プラットフォーム」なら、自社の既存システムと連携して運用することも可能であり、デジタル化をスムーズに促進しながら間接材購買の最適化を図れるでしょう。
また、30社を超えるサプライヤーと連携し、5,000万品目以上のアイテムを取り扱っていることも特徴です。これらのサプライヤー商品は、すでに価格交渉された会員価格で購入できるので、自社の購買業務の効率化やコストの適正化につながります。
さらに、「購買管理プラットフォーム」には、以下のような特徴もあります。
とくに、自社のルールに合わせた各種設定を行えることは、建設業DXを促進する上でも重要です。自社の課題やお悩みを丁寧にヒアリングした上で、最適なプランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
昨今は、人手不足への対応や生産性のアップなどを図るため、建設業DXの必要性が増しています。建設業DXでは、IoTやBIM/CIM、購買管理システムといった技術・システムが活用されているので、自社の課題やニーズに適したものを導入すると良いでしょう。
購買管理システムを導入し、建設業DXを促進させたいという方はビズネットの「購買管理プラットフォーム」をご検討ください。株式会社大林組様の建設業DX事例をはじめ、さまざまな企業様における購買業務の改善にお役立ていただいています。
導入・運用のサポートはワンストップで行いますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
受発注の業務改善によって顧客サービス向上と新たなビジネスの展開を支援する「購買管理プラットフォーム」を14,000社以上の企業に提供しています。電力、電設、建設・医療・製造などの現場専門品の購買業務を最適化し、業務やコスト削減・生産性向上を実現いたします。
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