購買におけるソーシングの役割や特徴について把握し、自社の業務に活かしたいという方も多いのではないでしょうか。ソーシング業務には、購買に関する条件の整理やサプライヤーの評価などがあります。
この記事では、購買におけるソーシングの概要を解説した上で、ソーシングが重要な理由や流れについても紹介します。さらに、購買でソーシング業務の効果を高めるポイントも詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
購買におけるソーシング(Sourcing)とは、サプライヤーの選定や価格交渉を行うプロセスを指します。取引する商品・サービスの仕様、条件の明確化などを行うため、購買業務の中でも重要性が高いと言えるでしょう。
以下では、ソーシングの役割や購買対象物による違い、パーチェシングとの違いについて解説します。
ソーシングの主な2つの役割について、以下で見ていきましょう。
ソーシングは、購買する資材の仕様や価格、品質、納期などの条件を整理する業務です。たとえば、調達した資材が、自社の最終製品に適合したものでなければ、生産工程に大きな影響を及ぼすおそれもあります。
適切な条件整理を実行することで、資材のミスマッチを防ぎ、必要なタイミングで必要な資材をスムーズに調達できるようになります。
類似の部品や材料が複数ある場合、サプライヤーによって価格や品質、納期などに違いが生じます。自社の購買の安定性を高めるには、サプライヤーを評価した上で、自社の取引レベルに合致した供給者を選定する必要があります。
ただし、前述した条件の整理を適切に実行していないと、サプライヤーを正しく評価できない可能性があることに留意しておきましょう。サプライヤー評価のメリットや評価基準については、以下の記事もご参照ください。
「サプライヤー評価とは?取り組むメリットや具体的な評価基準、評価する際のコツについて解説」
なお、ソーシングでは過去の購買データなどを分析することが不可欠です。購買管理システムを活用すれば、データ分析の簡易化を図れるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
特に、ビズネットの購買管理システム「購買管理プラットフォーム」は、間接材について30社以上のサプライヤーとつながっており、選定の手間を省けます。購買情報はデジタルデータで取り扱うため、過去の購買に関する分析などもスムーズに行えます。
一口にソーシングと言っても、購買対象物が直接材か、間接材かによって管理方法などに違いがあります。直接材とは、製品の生産で直接的に関わる原料や部品などを指します。製品の機能や品質にも影響するため、購買プロセスの管理・整備が行き届いている企業が多い傾向にあります。
一方で、間接材は製品の生産に直接的に関わらない消耗品や工具といった購買品を指します。調達品目が多岐にわたり、個別に調達されるケースも少なくありません。そこで、間接材におけるソーシングを一元的に管理することで、無駄なコストの削減や自社が優位に立った価格交渉などを実現できる可能性があります。
ほとんどの購買・調達部門は、直接材のソーシングがコア業務のため、間接材にはそこまでリソースを割けていない状況です。ビズネットの「購買管理プラットフォーム」を導入すれば、すでに値段交渉された会員価格の間接材を調達できます。また、品質も担保された大手サプライヤーと連携しているので、手間なく間接材を管理できることもポイントです。
間接材の購買・調達におけるポイントや基礎知識については、以下の記事で詳しく解説しています。
「間接材の購買・調達を行う際の5個のポイントとは?間接材料費の最適化を狙うための基礎知識をご紹介」
また、ビズネットでは購買管理のコスト削減に関する無料の動画セミナーを提供しています。PCやタブレットなどの端末と、インターネット環境があれば、いつでもどこでも視聴できますので、ぜひチェックしてみてください。
パーチェシング(Purchasing)とは、購買における発注から支払いまでのプロセスを指します。一方で、ソーシングはサプライヤーの開拓から仕入価格の交渉までのプロセスを担うことに違いがあります。
購買において、ソーシングは前半のプロセスであり、パーチェシングは後半のプロセスと捉えるとよいでしょう。
なお、調達活動全体を表す「プロキュアメント」という用語もあります。プロキュアメントの詳細や種類については、以下の記事をご覧ください。
「プロキュアメントとは?パーチェシングとの違いや種類、仕事内容なども紹介」
次に、購買のソーシングが重要な理由について見ていきましょう。
前述のとおり、ソーシングはサプライヤーとの価格交渉までを担う購買プロセスです。適切にソーシングに取り組むことで、調達コストの削減を図ることも可能です。
また、調達する部品等のサプライヤー選定、価格交渉がスムーズに進むことで、製品試作などのシーンでもメリットが見込まれます。円滑なソーシングを実行できれば、詳細設計のフェーズに多くの時間を割けるようになり、十分なコストダウン施策を検討できるようになるでしょう。
製造業などは同一の製品を年単位で量産するため、適切なソーシングを実行できるかが、製品のQCDに長く影響を及ぼします。
特に近年は、下請法や独占禁止法の影響を受け、量産をスタートしてからの調達コストの低減はしづらい傾向にあります。そのため、適切なソーシングに取り組み、自社とサプライヤーの双方にとっての適正価格で取引を行う重要性が高まっています。
適正なコストで自社製品を市場に供給できる体制を整えておけば、中長期的に高い競争力を確保することにつながるでしょう。
購買におけるソーシングの流れは、以下のとおりです。
まずは、サプライヤーの技術力や価格などを踏まえつつ、自社との取引に適したサプライヤーを選定することから始めます。その上で、商品・サービスに関する見積もり依頼を行い、受領した見積もりの内容を査定しましょう。
基本的に見積もり依頼は、複数のサプライヤーに対して行い、価格の適正性などを確認します。必要に応じて、サプライヤーに価格や納期に関する交渉を行い、双方が合意した上で契約締結へと進みます。
購買でソーシング業務の効果を高めるポイントとして、以下の4つが挙げられます。
それぞれのポイントの詳細について確認していきましょう。
自社と取引するサプライヤーとの関係は、戦略的に強化することが大切です。密な関係を構築しておくことで、ソーシング業務の負担を減らした状態で、よりよい提案をしてもらえる可能性があります。
また、サプライヤーとの良好な関係構築を図る「SRM(サプライヤー・リレーションシップ・マネジメント)」の手法を取り入れるのも効果的です。SRMに取り組む際は、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
ソーシング業務では、既存サプライヤーとの関係強化に加えて、新規サプライヤーの開拓も不可欠です。新規サプライヤーを開拓する具体的な方法として、以下が挙げられます。
たとえば、展示会に参加して新規サプライヤーとの関係を構築する際は、調達部門と技術部門から1人ずつ参加者を選出して、多角的な視点で情報収集できる体制を整えておくと安心です。
その上で、当日は自社のニーズに即したブースの担当者から、展示品に関する情報や問い合わせ先などを入手しましょう。参加者同士で入手した情報を整理して報告書を作成し、社内で情報共有することも重要です。
購買情報をデータとして適切に管理することで、適正価格での調達を実現しやすくなります。データを一元管理できるシステムなどを導入すれば、業務効率化も図れるでしょう。
また、適正価格を探る際は、サプライヤーへ相見積もりを行うことや、同一部品・類似部品との価格比較を行うことが必須と言えます。比較購買に取り組むポイントや、相見積もりの流れに関しては、以下の記事をご覧ください。
「比較購買とは?行うべき理由や取り組む際のポイント、相見積もりを行う流れも紹介」
なお、ビズネットでは購買管理を始めたい企業様向けに、購買管理を実施するメリットなどがわかるお役立ち資料をご用意しています。ぜひ以下よりチェックしてみてください。
購買に関わる下請法と独占禁止法について把握しておくことで、スムーズかつ適正なソーシング業務が可能になります。下請法とは、取引の公正化や、事業者の利益の保護を目的とした法律です。
一方の独占禁止法とは、自由で公正な競争の促進、および事業者の自主的な判断による活動の促進を目的とした法律のことです。
以下のようなケースに該当すると、下請法や独占禁止法に違反するおそれもあるので注意が必要です。
前述のとおり、多くの企業における購買・調達部門は、直接材のソーシングがコア業務のため、間接材のソーシングに適切なリソースを割けていないのが現状です。
そこで、間接材の調達に際しては、ビズネットの「購買管理プラットフォーム」の導入をぜひご検討ください。5,000万品目以上のサプライヤー商品を、事前に値段交渉を終えた会員価格で購入できるので、見積もり依頼の手間がありません。
また、品質が担保された大手サプライヤーとつながっていることも魅力です。ITトレンドの購買管理システム部門では年間ランキング1位を獲得し、すでに14,000社以上の企業様にご利用いただいています。
「購買管理プラットフォーム」には、以下のような特徴も備わっています。
さらに、「購買管理プラットフォーム」では自社の既存システムと連携して、業務システムへのデータ入力・支払い業務プロセスの効率化を図れることもポイントです。導入・運用に向けたサポート体制が整っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
購買のソーシング業務が重要な理由として、コストダウンの効果を高められることや、自社製品の競争力に影響することが挙げられます。その効果を高めるためにも、「サプライヤーとの関係を強化する」「購買情報を適切にデータ管理する」などのポイントを押さえておきましょう。
直接材のソーシングをコア業務としている企業が多い一方、間接材に適切なリソースを割けていない企業は多いです。間接材に特化したビズネットの「購買管理プラットフォーム」を活用すれば、値段交渉を終えた5,000万品目以上のサプライヤー商品を、会員価格で購入できます。
さらに、最安値商品の検索機能や、既存システムとの連携機能など、自社のニーズに合わせて利用できる機能が豊富に搭載されています。購買のソーシング業務を効率化したいという方は、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
ビズネット株式会社
受発注の業務改善によって顧客サービス向上と新たなビジネスの展開を支援する「購買管理プラットフォーム」を14,000社以上の企業に提供しています。電力、電設、建設・医療・製造などの現場専門品の購買業務を最適化し、業務やコスト削減・生産性向上を実現いたします。
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