2019年5月から元号が変更!企業が事前に考えておくべきこととは?

コラム

現天皇陛下の退位に伴い、2019年5月1日に元号が変更されます。企業の実務としては新元号に変わることで、コンピューターシステムから印刷物などの変更など相当量の変更作業が発生します。コンピューターシステムに不具合やトラブルが発生すると、多くの業務がストップするだけでなく場合によっては多額の損失が生じる可能性があるため注意が必要です。今回は、元号変更の発表時期や変更に伴う作業など、企業としてスムーズに元号の移行ができるように考えておくべきポイントについて解説します。

新元号の公表時期

新元号について、安倍総理大臣は「国民生活への影響を最小限に抑える観点から先立って4月1日に発表する」と表明しました。このスケジュールで進める場合、省庁や企業は1ヵ月で新元号への対応を行う必要があります。後述するコンピューターや印刷物などの変更を考慮すると、タイトなスケジュールと言えるでしょう。

元号変更が企業実務に与える影響

元号の変更が企業の実務に与える影響として、どのようなことがあるのでしょうか。影響として考えられるのは、「コンピューターシステム」と「印刷物」の2つです。情報化が進んだ現代では、コンピューターによる影響が大きく、変更の対応がちゃんとできていなければ大変な問題に発展する可能性があります。どのような問題が考えられるかを事前に把握して、問題に備えておくことが必要です。

「2000年問題」の再来?

「2000年問題」を覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、それと同じようなことが今回も発生する可能性があります。2000年問題とは、西暦1999年から2000年になる際に「コンピューターの誤作動」が懸念されていた問題です。当時は今ほど記憶領域に余裕がなかったため、西暦の情報は下2桁だけで記録させていました。しかしその場合、2000年と1900年が同じ「00」になってしまうため、コンピューターが混乱し、「予期せぬ不具合や誤作動が多発するのではないか」と考えられていましたが、事前の調査や対応(影響範囲の把握など、後述する4つのステップ)が行われたため、実際には大きな問題は起きませんでした。

コンピューターシステムに与える影響

今回の元号変更も、システムの内容によっては影響が少なからず出る可能性があります。ただし、現在は元号を使用しているシステムのほとんどが、あらかじめ元号の変更を想定している可能性があるため、大きな不具合は起きないと考えられています。しかし、企業は扱う情報に少しでも不備があっては信用問題が発生して信頼を失うことになるため、事前の確認と調査が重要となってきます。

印刷物の変更

システムだけでなく、元号の変更に伴って印刷物も変更が必要です。「平成」を使用している書類や帳票、ゴム版などが該当します。それらを洗い出し、それぞれどのように対応するかを考えなければなりません。例えば書類なら、シール貼りによる修正をしたり、廃棄して新たに作り直したりすることが考えられます。

変更に要するコストを想定しておく

システムの変更も、印刷物関係の変更もコストがかかります。企業によっては独自のシステムを開発しているケースもあります。そのため、変更に要するコストを事前に洗い出しておくことが重要です。

新元号のスタート前にやっておくべきこと

1.影響範囲の把握

まずは影響範囲について把握しておきましょう。例えば、「データは西暦で管理されているが、画面表示のみ和暦で表記している」というのであれば、そこまで影響範囲は広くないでしょう。しかし、日付を和暦で管理し、その日付を参照して書類を発行しているといった場合、業務に支障が出ることが考えられます。

2.修正方針の検討

次に、修正方針について検討します。システム変更の規模によっては技術者を集めてチームを結成する必要があるかもしれません。システムの停止を要する修正の場合、業務への影響も考えられます。「いつ」「誰が」「どのように」修正するのかを明確にしておくことが重要です。

3.元号の修正

修正の方針にそって対応を行います。ただし、対応を行う中で、スケジュール通り進まない場合も考えられるでしょう。その際は、なぜ予定通り進まなかったのか原因と対策を講じた上で、スケジュールの見直しが必要となります。

4.テスト

修正が完了したら、新元号を設定してテストを行います。まだ新元号が分からない場合は、仮の元号を設定したテストを行うとよいでしょう。テストで問題がなければ、準備は完了です。問題があれば、修正とテストを再度行います。

対応が間に合わない場合の対処法

優先順位をつけておく

例えば同じ書類でも、社内だけで使われる書類と、顧客との契約に関する書類とでは重要度が異なります。変更業務に優先順位をつけ、優先度の高い変更業務から対応することが必要です。

旧元号の使用について方針を決めておく

元号変更の対応が間に合わない場合は、平成を使い続けることも想定しておきましょう。実際に政府は、行政システムの一部は改修が間に合わないので、「平成を使い続ける」としています。それぞれの事情を考慮しながら、この方法を使うかどうかも検討してみると良いでしょう。

新元号への準備対応はお早めに!

企業として書類やシステムをどうするか、どれくらいの時間やコストがかかるのかなど、元号の変更前に考えておくべきことや調べておくべきことはたくさんあります。新元号が何になるかは、1カ月前にならなければ分かりませんが、それまでに多くのことを実施する必要があります。ギリギリになって動くと、「間に合わない!」と焦るばかりか、重大なミスを引き起こし、信頼を失ってしまうおそれもあります。余計にコストがかかるかもしれません。そうならないように早めに準備を整えておきましょう。