間接材の購買コスト削減はトータルで判断しましょう

コラム
『誰か黄色のインクがでるボールペン持っていませんか?』
多くの方が普段の業務で何気なく使っているボールペン。黒や赤を使うのが一般的だと思います。しかしとある業務でどうしても黄色のボールペンが必要になった時、どうしますか?
本当に必要ならとりあえず注文するしかありません
おそらくほとんどの方が、備品などの調達・管理をしている総務課などに購入を依頼するでしょう。総務課では、黄色のボールペンを扱っているサプライヤーを探して注文を依頼します。
注文を受けたサプライヤーも、めったに売れない商品の在庫はありませんので、問屋やメーカーに在庫の有無を確認し、在庫が無い場合は工場にも確認して納期を連絡します。
もし、サプライヤーから総務課に入荷する納期があまりに長い場合には、仕方なく他のサプライヤーを探すことになりますが、他のサプライヤーにも在庫があるかどうかは分かりません。
ようやく在庫を持ったサプライヤーを見つけたとしても、めったに売れない商品の出荷単位は、1箱10本単位など必要数を上回っているというケースもあります。
なんとか必要数で出荷してもらうよう交渉し納品してもらったとしても、普段購入していないサプライヤーの場合には、請求書に記載された支払日が通常の締日と異なるといった事も珍しくないので、経理にイレギュラー処理を依頼するための説明も必要です。
イレギュラーなことにはコストがかかる
このように、1本のボールペンを巡ってたくさんの人が動きます。そのボールペンを使用する社員に渡るまで、どれだけの人と時間をかけたのかは、どれだけの業務コストがかかっているのかと同じ意味です。
社外のことは関係ないと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、サプライヤーの業務コストは、商品の購入価格に跳ね返ってきませんでしたか。特殊な黄色のボールペンは、定価で請求されませんでしたか。赤や黒の定番のボールペンより高くありませんでしたか。
今回の例は極端な例かもしれません。しかし、従業員側から見ると気軽に調達を依頼する備品でも、備品調達を一括して行っている部門からみると、無視できない数のイレギュラーな作業が発生する可能性もあります。
ある企業では統一購買のために定番品を細かく決めた途端に、定番以外の物を必要とした社員の多くが、現金建て替えで商品を購入して領収書の清算を行ったために、月末に経理部門に2,000枚ものの領収書が届いたという事実もあります。
このようなことが起きないようにするにはどうしたらいいのでしょうか
社内物品の購買のルールを検討する際に重要なことは、イレギュラーな業務が極力発生しない仕組みにすることを念頭におく事です。
例えば、以下のような方法を挙げる事ができます。
- 品揃えが豊富なサプライヤーを選択(イレギュラーな商品購入を減らす)
- イレギュラーな支払処理が発生しない購入ルールの構築
- 複数のサプライヤーへの注文を一本化できる仕組みの導入
- イレギュラーな注文を事前チェックすることができるワークフローシステム
- 検収データーと経理システムの連動
あなたのオフィスで似たようなことは起きていないでしょうか。
次回は「アウトソーシングの必要性」というテーマをご紹介します。
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